外見についてのこだわり


モナカルーム
モナカルームの外見は昭和初期にからさわが開業した店の写真や僕の記憶を元に復元しました。 洗い出しの壁は今でも尾道にある古い建物を参考にしています。 洗い出しとは、モルタルに小石をまぜて塗り、乾かないうちにホースで水をかけ小石を洗い出す施工で一番手間がかかりました。 左官屋さんは、『手間がかかることばあ言うんじゃけえ』と言いながら引き受けてくれました。さすが職人技みごとな仕上がりです。 木枠の窓は白いペンキ塗の和風で名前はお多福というそうです。 デザインや色も昔の店の写真を参考に同じように仕上げました。 建具屋さんも『懐かしいのう』と言いながら作ってくれました。 お店の看板は自分で作りました。 木枠を組みスティンを塗り、ブリキ板をクリーム色に塗って、木を切り抜いた文字をネジどめしました。 木が色褪せ朽ちてペンキがはがれサビてきて、いつかいい雰囲気が出ると思います。 腰壁は白色と水色と海色の長方形のモザイクタイル張りでデザインも古いお店の時と同じ感じで仕上げてもらいました。 正方形のモザイクタイルはよく見かけますが長方形は見なくなりましたね。どうしてかな?僕は好きなのに。 尾道にはモザイクタイル張りのお店が今でも数件あります。探してみるのもおもしろいかもしてませんね。 左官屋さんも手間がかかるモザイクタイルを150個も剥がしそこにまた違う色のモザイクタイルを張るという2度手間を『手間がかかることばあいうんじゃけえ、こうな何十年も前のタイルにするんはあんたぐらいじゃ』と言いながら張ってくれました。 戸井や窓の下などは銅板で仕上げました。 植木鉢を置いているところは、目の前の海で子どもの頃カニを捕って遊んだ雁木のイメージでみかげ石で仕上げました。

モナカルームの室内


モナカルームモナカルーム
モザイクタイル看板は尾道の観光名所タイル小路を参考に作ってみました。 ベニア板にしっくいを塗って、あまったタイルを張り付けています。 室内の壁にも部屋を広く見せるのと明かり取りの和風の窓があります。 照明は骨董品のガラスの傘を使っているのですべての形や色がばらばらです。 お気に入りは西の窓際のまわりがギザギザの傘で、古いお寺の玄関に付いていた物だそうです。 モナカルームの名前の由来は、アイスモナカのように懐かしくて和洋折衷で、昔から変わらないイメージとアイスモナカ1個でも店内でくつろいでいただければと名付けました。 壁は白く塗った杉板を張っています。 この壁も昔の店の時のイメージで仕上げています。 床はヒノキのフローリングで仕上げていますが、昔の店にはここもモザイクタイルを張っていました。 そのイメージでモナカルームと隣の店の間の床にもモザイクタイルを張っています。 店内の壁と床、建て具の塗料は環境の事を考えてドイツ製のオスモを使いました。2階の店内の壁も同じ仕上げです。 部屋の奥には英国製アンティークのちいさなライティングデスクがあり宅急便の宛名書はここでお願いしています。 白いくり抜きのシンプルな飾り棚も昔のお店にあったのを思い出して作ってもらいました。 当時はコーヒー豆を三角のガラスビンに入れて飾ってありましたが、今は古いガラスビンやバイクやミニカーなどを飾っています。 窓を開けると潮風が気持ち良く吹いて来ます。 海を渡る舟を見ながらオススメのクリームぜんざいをどうぞ。 テーブルは昔の店のテーブルから型をとり同じように作ってもらいました。 テーブルの下には棚があり本やバックなどを置くことができます。 これも昔の店にあったテーブルをもとに作ってもらいました。 モナカルームの広さは約7.5畳ほどの広さしかありません、しかし天井が高いのでそれほど狭さは感じません。 天井は体や環境にやさしいしっくい仕上げにしました。 天窓も昔の店にもありました。もっと大きな3畳ぐらいのが、よく雨漏りしてたなあ、だからここだけアルミサッシを使っています。 丸太の梁は尾道で解体された古い民家からもらったもので、いい雰囲気が出ています。 壁にかかっている古い振り子時計も正八角形でアイスモナカと同じです。 木造平家建てで、みんなに『2階や3階にすればいいのにもったいないねえ』といわれますが、 平家だから出来る空間を楽しみたいと思います。 3階建てより贅沢な気がしませんか? 尾道の一等地に平家建てなんか。 雑誌などを置くところは和風の古い書棚にしました。

あとがき


アイスクリーム屋は、ちいさなお子様からお年寄りの方までがご来店されます。 モナカルームは、若い人には新鮮さを、お年寄りの方には懐かしさを感じてもらえると思います。 モナカルームは、僕が子どもの頃建て替えられた昔の店をもとに増築しました。 子どもの頃はその2階に住んでいて、食事はいつも店で食べていました。 調理場には大きな吹き抜けがありそこには大きな天窓がありました。 天窓からは空や雲や星が見え雨が降れば雨音が聞こえて来ました。 そこでは創業者の祖父と祖母が夏の暑い日、クーラーのない調理場に鉄の扇風機をまわしながら小豆を煮たりアイスクリームを作っていました。 建坪15坪ほどのちいさな建物は、今思うと不思議な間取りでした。 尾道のちいさな町家の暮らしの知恵などがつまっていたのかも知れません。 最後に地球の温暖化により海面が1メートル上昇するといわれています。 その時、尾道の海岸通りのほとんどの家が浸水してしまいます。 今でも高潮の時は古い家や道路が浸水しています。 昔の店も高潮の時はよく浸水していました。 そうならないようにみんなで地球の環境について真剣に考えていかなければなりません。 そして、モナカルームが百年後もいい雰囲気で解体されずに建っていることを願います。 外装も内装も家具もすべてが時とともに味が出る物を選んだのですから。
モナカルーム

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